京都のテロワールを最大限に引き出した深いコクの蜂蜜

ワインの産地の自然環境を「テロワール」と言います。気候・土壌・地勢などの総合的な地域性を表現する言葉です。総面積の約75%を森林が占める京都は多様で豊かな動植物による生態系が自然のままに残されています。「歴史的風土特別保存地区」に指定される地域は太古の原生林が今も残っていて、希少な固有種を含む多種多様な花々が育ち、京百花では、その歴史ある美しい自然を「京都テロワール」と呼んでいます。そして、次の世代に守りつなげていくために、養蜂を通じて人と自然が循環する環境を作る試みに挑戦しています。

蜜源の地域性

京百花のはちみつ作りで一番こだわっているのが「蜜源」です。京百花の思う質の良い蜜源の条件は二つあります。

１つ目は「自然の循環が守られている森」人の手の入っていない自然の森の土壌は炭素が豊富で、根の強い健康な植物が育ちます。森で育つ植物から採れる蜜には果糖とブドウ糖がバランス良く含まれており花の香りも強く濃厚でコクのあるハチミツになります。
またのそのような環境で採れた蜂蜜は栄養素が多く150種類以上の栄養素が含まれていると言われています。

２つ目の条件は「農地が少ないこと」です。広大な農地では、害虫や虫から作物を守るために農薬が多く使用されている現状があり、ミツバチにとって良い環境とは言えません。
また、土壌の緑肥としてアブラナ科の植物を植えたり、作物の取り残しなどがあり、ハチミツの「雑味」となる花が多いのです。

京野菜で有名な京都ですが、農地の規模は小さく、京百花の巣箱から半径３km以内には広大な農地はありません。この地域性のおかげで、質の良い蜜源を狙って採蜜することができています。

農薬に頼らない養蜂

京百花では、蜂を素手で触り、ミリ単位の精密な作業で蜂にとって優しい飼育を行っています。これにより農薬に頼ることなく、自然の花の香りに加えて、花の酵素や健康な蜂の酵素も蜂蜜の深い味わいを生み出すポイントとなっています。このような丁寧な養蜂作業により、京百花の蜂蜜は一口ごとに京都の自然の豊かさと深いコクを感じることができます。

京都の歴史的風土地区で採蜜された蜂蜜

京都市北部の上賀茂、大原、岩倉、八瀬などの地域に設置した養蜂場で採蜜を行います。京都市歴史的風土保存地区に指定され、環境が守られています。
また、この地域は花の種類が多いことも特徴で、絶滅危惧種の草花も含まれます。
たくさんの花の蜜が重なることで、香り豊かな蜂蜜となります。

※歴史的風土保存地区とは
風土の保存上、とくに重要な地域として指定され、住宅等の建築物の新築や、土地形質の変更などが制限される区域のこと。